5月5日(土) 15:45 Yerseke (オランダ)


距離         : 1400m×56周 78km
出走者数 : 77
天候         曇り
結果         : 43

  

今日も今日とて朝の内から雨が降りしきり、会場に着いてもパラついている始末。
今回のコースはS字コーナーのあるレンガ畳のテクニカルなコースだと聞いていたので不安がよぎる。
しかしその不安は杞憂に終わり、スタート直前に雨は上がった。

スタート位置は今回も前方を取ることができ、レーススタート。
スタートから100m程で左への直角コーナーがあり、その後左に緩やかにカーブしながら、S字コーナーへ。
S字コーナーは初めてだったので、前の選手と同じラインを取りながらやり過ごし、そのままの位置で1周目を終える。

路面が乾ききっていなかったせいか、集団のスピードはあまり上がらず周回を重ねる。
すると突然放送で私と若狭選手の名前が呼ばれた。
どうやら日本から来たことで紹介されたようだ。
気合が入り、一番スピードの落ちるスタート地点後の直角コーナーを抜けたところでじわじわと位置を上げる。

これを繰り返し、半分を過ぎた頃最初は見えなかった先頭が見えるように。
だが前にはまだ30人はいる。
これをどう突破するか。
そう考えていた時に肩を叩かれる。
また私はフラついて走行していたのか、とその人の方を向き謝ろうとすると、赤いジャージを着た方が前方を指差し何か言っている。
ハッキリと聞こえなかったが「前まで連れて行こうか」と言っているようだ。
大きく頷き、赤いジャージの方と先頭を目指す。
縦に伸びていた集団の横をスルスルと抜けていく彼。
私だけではとても通れそうにない隙間でも平然と走っている。
その後ろにピッタリと付いていると、あれよあれよという間に集団の先頭付近へ。
もちろん地脚もあるだろうが、走り方次第でこうも簡単に先頭までいけるのかと感心し、この人の後ろに付いて走行技術を学ばせてもらおうと、なるべくその人の後ろに位置しながら、加えて、走り方をトレースしながら走行することに。

赤いジャージの方の後ろで何周も周回を重ね、自分がほとんど疲弊していないことに気付く。
走行ラインや前方に上がるタイミング等の違いだろう。
今までどれだけ無駄な足を使っていたか身を持って知れたのは大きい。

それからまた少し経ち、ふと周回板を見ると、いつのまにか残り13周に。
先程より少し位置は下がったが、まだ集団の前方。
足も元気ではないが耐えられそうだ。
そこからは完走することだけを考え、ペダルを踏み、残り5周。
まだ前方に居る。
初めて賞金を狙えるかもしれない、と考えてしまうと頭は賞金のことでいっぱいに。
隙があれば自爆覚悟のアタックをしようと機を伺うが、そう甘くはなく、皆前方に詰めかけ団子状態に。
前に出られずやきもきしながら最終周へ。

一気に上がるスピード、再び縦に伸びる集団。
悲鳴を上げる肺と足に鞭打ち、ゴール前のストレートへ入る。
しかし、スプリントする余裕は無く、そのままの
スピードを維持しながらゴール。
43位という結果に終わった。

今回完走できたのは赤ジャージの方がいたからだろう。
そしてその方から学ぶべきこともたくさんあった。
その中で毎回言っているスピードの維持や走行技術の他に、まだまだ度胸が足りないと感じた。
フラフラ走ってしまうのは、恐らく集団内で走ることにまだ恐れがある為だろう。
これを解決すれば他の選手に迷惑をかけることがなくなり、走行ラインも安定すると思う。
翌日もレースがあるので度胸を持って挑みたい。