6月14日(木) 19:15 Maasdijk(オランダ)

距離         : 12 00m×70周 84km
出走者数 : 58
天         候晴れ
結         果未完走(-5Laps 36)



パールイズミロードレーススクールもこのレースで最終戦である。
夜スタートということで肌寒かったが、天気は良く、風もそよ風程度と走り易い気候だ。
コースはほぼ四角形でレンガ畳が3/4を占めるだけの比較的簡単なもの。
しかし大都市Rotterdam付近のレースということで、協賛金が多く集まり賞金も高くなる為、強い選手がこぞって出場してくるというのが傾向としてあるらしい。
確かに受付やコース横でこれまで強いと聞いていた選手を何人も見かけた。
それでもいつものメンバーである。
何も臆することはないと、走り切ることのみ考えスタート位置へ向かった。

前のレースがまだ終わって無かった為、定刻より15分遅れでレーススタート。
いつも通り集団の波に乗るのだが、うまくついていけない。
強い選手が大勢いるため、集団の速度が速くなっているようだ。
更にコーナーでも離されてしまう。
我慢して耐えようとするが、足がついていかず、数周集団と走っただけで千切れてしまう結果に。
最終戦だというのにすぐ千切れてしまい、自分の不甲斐なさに愕然としながらも、クリテリウムはその場で降ろされる訳ではないのでトレーニングだと割り切り、集団走行の技術をもう一度身につけようと集団が後ろからやって来るとすぐさま飛び乗ることにした。

集団で数周して、コーナーで離される原因がわかった。
視線が地面ばかりに向いていたのだ。
先日ステムを変え角度が変わったのと、昨日のレースで路面が荒れていたので下に意識が向いてしまうようになったのだろう。
これに気づいた後コーナーで離されることは無くなったが、それでも速度が速い為後ろに付いても千切れてしまい、結局5周回程ラップされ、レースを降ろされた。

最終戦で本当のクリテリウムというものを味わった。
今の私の実力では完走すら到底できない領域だと感じた。
目標であった一桁入賞など、夢のまた夢だ。
しかし、不可能なことではない。
こちらの選手はほぼ皆手に職を持ちながらレースをしている。
今日のレースでも、きっちり8時間働いてやって来た選手も居た。
それで皆走れているのだ。
日本ではレース数が少ないのでこちらの人々と同じようにとは行かないが、日々のトレーニング次第で近づけることができるだろう。
日本では、いつか欧州で勝つことを夢見てトレーニングに励もうと思う。


最後になりましたが、今回このパールイズミロードレーススクールに参加させて頂くにあたってご協力頂いたパールイズミ様、山宮コーチ、関係者各位、その他応援して下さった皆様にお礼を申し上げたいと思います。
2ヶ月という期間の中で異文化に触れ、自転車選手としての力はもちろん人間的にも成長できました。
この経験を活かすも殺すも、今後の私の活動次第なので、ここからがスタートだと思ってこれからの人生に役立てたいと思います。
このような機会を与えて下さり、ありがとうございました。

6月13日(水) 15:30 Kruibeke (ベルギー)

距         離: 9.4km×12周 113km
出走者数: 96
天        候曇り
結        果未完走


パールイズミロードレーススクールの残りレース数も後2レースとなった。
ベルギーのケルメスレースは本日が最終戦である。
先日のAartselaarではスプリントの位置取りが悪く取ることの出来た10位台を取ることができなかったので、本日は今までの最高位を取ることを目標にレースに臨んだ。

本日のコースは、グネグネと市街地を抜けた後に農道に出て、高速道路の高架を2度渡るといったもの。
市街地では直角コーナーが多く、細い路地や、傾斜は緩いが石畳の上りもある。
農道に出てからは、風はもちろんデコボコに荒れた路面が待ち構える。
故に、非常にパワーを要求される今遠征最難関のコースだと感じた。
天気が曇りで、風も強くはなかったのが救いだろう。
雨風が吹きすさぶ中このコースを走れと言われたら、少し躊躇するかもしれない。

少し肌寒い気温の中、レースはスタート。
ホームストレートは下り基調なので、最初からスピードは速い。
しかしすぐに曲がってもがき、スピードに乗ったと思ったらまたブレーキをかけさせられて曲がる。
まるでクリテリウムを走っているような感覚に陥る。

何度かコーナーを抜け、裏路地のような細い箇所を抜けるとまた直角コーナーがある。
そこで前の選手に付いて曲がったのだが、その選手の体で縁石が見えず、危うくぶつかり落車しそうになる。
今までだと落車しそうになっても「レースなのだから落車や怪我をしても当たり前」という感覚でその後も何も考えず走れたのだが、今日は違った。
ここで怪我をすると、この2ヶ月地道に積み重ねた実力が泡と消えてしまい、日本に戻っても走れなくなる、という恐れが頭の中を渦巻く。
1周目からその恐怖心に囚われていたせいで、コーナーを曲がる度に少し選手と間を開けてしまい、そこで脚を使ってしまうのでじわじわと集団後方に追いやられていくハメになった。

4周が終わる頃には、私は最後尾に居た。
他のコーナーではなんとか今まで通り曲がることができるようになってきたのだが、まだあの場所での恐怖心を拭うことができない。
そのコーナーを抜けると、下ってから石畳の上りなので、非常にパワーを消耗させられる。
4周で既にクタクタだったのでなんとか前に上がろうとするが、抜きつ抜かれつを繰り返し、結局ほとんどの時間を最後尾で過ごした。

残り3周、周回賞がかかったこの周でスピードが一気に上がる。
農道に出た時には集団後方は崩壊していた。
ここまで中切れを食らってもなんとか集団に復帰していたが、この周のスピードについていく脚がもう無く、ここでレースを降りることになった。

今回のレースは、これまでで一番情けない走りをしたレースだった。
今回のようなコースは、ベルギーでは特段変わらないコースだろう。
こういった市街地のレースに慣れていればレースのしがいがあるコースだとは思ったが、私にはまだ経験不足の感があり、応用が利かなかった。
最近調子よく走れていただけに、非常に悔しく思う。
しかし、前の選手から離されても独走しまた元に戻れるようになったので、この2ヶ月で確実に力はついていると実感した。

明日はオランダのクリテリウムで、これが最終戦となる。
これまで培った経験を全て出し切り、目標を達成したい。

6月10日(日) 14:30 Aartselaar (ベルギー)

距         離: 7.5km×15周 112km
出走者数60
天         候曇り
結         果: 21



本日はベルギー第二の都市Antwerpの近く、
Aartselaarという街でのレースだった。
コースは極めて緩やかな起伏があり、鋭角なコーナーが1つ、直角コーナーは4つ、路面はほぼアスファルトとコンクリート舗装という難しくないコースレイアウトだ。
日曜日で天候も絶好のサイクリング日和だった為、出走者は多くなるだろうと予想していたが、60名程に留まる。
その為最低でも賞金を、そしてできるならば上位を狙おうと臨んだ。

スタートしてすぐにアタックの応酬。
今日はなんとしても逃げに乗りたいと1周目から前方に出て何度もアタックに反応するが、逃げが決まらずすぐに集団に吸収される。
そして後方に下がり、少ししたら前に出る、という
ことを繰り返していると、いつの間にか逃げが
決まっている。
また逃げに乗れなかったと悔やみつつも、その逃げを追う為に集団前方のローテーションに加わり、トレーニングも兼ねて前を引く。
本日は皆逃げを捕まえようと奮起していたのか、レースは高速で展開し、8周目を過ぎるまであまり速度は落ちなかった。

そこからは何度か小康状態になりつつも協調し合い、いつもより大勢でローテーションし逃げを追う。
しかしなかなか捕まらず、むしろ差が開いたのか2台目の先導車が集団を抜き、前を走る。
そこからまたじわじわと速度が上がりはじめた
が大きな動きは無く、最終周へ。
ゴールスプリントに備え良い位置を確保しようと、
後ろから前へ前へと選手達が集まってくる。
最終コーナーを抜け、選手達は団子状のまま緩やかに曲がりながらゴールを目指す。
私はここでいつも中心部に位置してしまう為、スプリントで前方に行けない。
故に今回は風を受けてでも外側からスプリントしようと道路左側に寄る。
しかし既に前方に選手が幾人かおり、うまい具合に進路を阻まれ何度かブレーキに手を掛けるも、渾身の力を振り絞りスプリント。
集団では5番手か6番手でゴールしたが、結果は21位という形で終わった。

今レースでは序盤からアタック合戦に参加できたので、また1つ成長できたのではないかと思う。
と同時に、後ろから集団に抜かれた時に下がり
すぎる傾向にあるので、できるだけ前方で集団
に復帰するようにする、という課題もできた。
肝心な場面で集団後方にいては何もできない。
苦しくても、常に前に位置する。
前々から言っていることだが、意識してこれを実践しようと思う。

また、本日はボトルを沿道の人から受け取り損ねて落車するという事故があった。
今の季節で120kmくらいの距離ならばボトルは2本で十分事足りるが、暑くなってくるとそうはいかないだろう。
ボトルを受け取る経験が無かったので、これも練習しておかねばならない。

残りは2レース。
なんとか一桁入賞という目標に到達できるよう、気合を入れていきたい。

6月8日(金) 19:00 Belsele (ベルギー)


距         離: 6.2km×15周 99.2km
出走者数: 84
天         候晴れ
結         果未出走


二度目の体調不良に陥り、今回もレースを見送った。
以前体調を崩してから睡眠や食事等をしっかり摂っていたにも関わらず、だ。
それだけ体力が低下していたのだろう。
日本に居た時は高校、大学と体育会系の部活動に所属していたが、ここまで頻繁に体調を崩すことは無かった。
環境が違うとこうも簡単に体は壊れるものらしい。

今後こちらに来る方は、「私は大丈夫だろう」と思わずに、薬やサプリメントの準備を万全にしてきてほしいと思う。

6月6日(水) 16:30 Harderwijk (オランダ)


レース名 : 27e Parel Van de Veluwe
距        離: 181.2km (147.9km+11.1km×3Laps)
出走者数:163
天候:曇り
結果:88


初のクラシックレースだというのに、朝目覚めると外は土砂降り。
オランダクリテリウムやベルギーケルメスレースより更にレベルが増すと聞いていたので、この雨の中そんなレースを走るのかと思うと気分は少し憂鬱に。
しかしこれまでの経験から言うと、朝雨が降っていると午後を過ぎる頃には止む傾向にあったので、晴れることを願いながら支度し会場へ向かった。

クラシックレースに参戦する際は、「GRC Jan Van Arckel」というオランダのクラブチームに参加させてもらうことになる。
今回参戦するのは、私達スクール生を含めて6名。
会場へはそのチームの監督やメンバーらと共に向かうので、まずはその方々との集合場所へ。
そこで監督らと挨拶するのだが、私はオランダ語も英語も喋れないので何もこちらのことを伝えることができなかった。
ヨーロッパで活動するには、最低限英会話ができないと何もできないと改めて思い知った。

会場へ着いた後も雨は降り続いており、先に行われていた女子のレースを少し観戦したのだが、皆顔まで泥だらけで激しいレースだったことが想像できた。
その後準備をしていると運良く雨が上がり晴れ間も見え始め、気温もサイクリングをするには丁度いいくらいになった。

完走率の高いと言われる今レースの出走者は平日にも関わらず163名も集まり、会場も賑わいを見せていた。
そんな日本と違う光景を見ながらスタート脇のテントでサインをし、スタート位置へ。
これまでと全く種類の違うレースだが、緊張はしなかった。
短期間に何度もレースに出ていたおかげだろう。
他の選手も皆緊張している様子は無く、談笑したり既に補給食を食べ始めたりしている選手もいた。

そんな様子を観察しながらスタートを待っていると、アナウンサーから黙祷の指示が。
30秒程黙祷した後、先導車が動き出し、遂にレースが始まった。
1.5kmまではパレードスタート。
この間選手達は位置取り争いで殺気立っている。
ここで落車する選手も居ると聞いていたので、無理はせず、しかし最後方まで下がらないように努めた。

1.5kmを過ぎ、スターターピストルと旗の合図で本番が始まる。
30km/h程から一気に50km/hまで跳ね上がるスピード。
最初は緩やかな上り基調なのだが、そんなことを感じさせないスピードだ。
苦しい、既に呼吸が乱れている。
しかし付いて行けている。
ずっとこのスピードは続かないだろうから我慢だ、と自分に言い聞かせながら耐える。
ちなみに最初の40分程は平均48km/hをマークしていた。

上りがあれば、下りもある。
山のぐねぐねとした下りは好きではないが、こちらの下りは緩やかでほぼ一直線。
何も恐れることなく突き進み、後方から中程まで位置を上げる。
本日のコースは基本的に森と農道を抜けるコースなので、こういったところで位置をあげておかないと道が細くなった時に中切れを食らう恐れが大いにある。
それゆえもっと前方へ行きたかったのだが、集団が団子状になっていたので中程で留まる。

しかし、それがいけなかった。
1時間が経とうとする頃、上り基調の区間で集団は縦一列に伸び、中切れが発生。
私は中切れがあったすぐ後ろにいたのだが、私の後方には少し距離が開いてポツポツとしか選手が居ない。
どうやら後ろの集団も崩壊していたようだ。
仕方なく一人で追うも、集団の方がスピード速くじわじわと離されていくので、大人しく後ろの集団が復活するのを待ってから再度追うことに。
結局前方の集団を捕まえるのに30分を費やすこととなった。

そこからしばらくは一定ペースでの走行。
この日はシマノレーシングチームの阿部選手もレースに参加していたので、日本のトップクラスの選手の走り方を真似ようと後ろやら横やらに付いて走り方を観察する。
わかったことは、体の使い方がうまく、筋肉量が圧倒的に違うということ。
上半身は体幹がしっかりしているのか全くブレず、下半身は筋肉が隆起しており、自分とは明らかに違う体つきであったため驚かされた。
自分もこれくらいにならなければならない。
そう思いながら、引き続きペダルを回した。

3時間を過ぎようとする頃、農道に出る。
道が細く、風も吹いていたので集団は縦に伸びる。
そこで56人を巻き込む落車が発生。
運良く巻き込まれはしなかったが、道路いっぱいに選手と自転車が転倒していたので、クリートを外しその場を脱出する。
しかし前方の集団との差が大きく開いている。
落車の地点は畑に投げ出された選手もおり、すぐには集団が復活しそうになかったので抜け出せた十数人で前を追う。

そこからはさっきまでのゆったりとした一定ペースから一転、ハイペースな展開に。
グルグルとローテーションをしながらなんとか前に見えている集団を追うのだが、なかなか差が縮まらず、息も絶え絶えに。
周回コースに入る手前で追いついたので、ここでも30分程追っていたことになる。
追いついた時には集団が団子状になっていたので一息つき、できるだけ呼吸を整える。
そしてスタートした街に戻り、周回コースへ突入。
ここから永遠とも思える30kmが始まる。

まず1周目。
フィニッシュラインを抜け、ここからがスタートだと言わんばかりに一気にスピードが上がり、集団は大きく縦に伸びる。
なんとか付いてはいけているが、立ち上がりの速度が今までの比ではない。
3時間半走って脚が疲弊しているせいもあるのだろう。
立ち上がりだけでなく、そこからの巡航速度も速く、何度も脚が攣りかける。
長い、長すぎる。
1周の10kmなんて、あっという間のハズなのに。
そう思いながら我慢していると、街の裏側でペースが落ちる。
助かったと、脚を休ませることができたのも束の間、すぐに2周目へ突入する。

2周目は先程よりもスピードが上がる。
これ以上上げられるとどうしようも無いといったくらいに、だ。
しかしまだ最終周がある。
確実にこれよりスピードは上がる。
となるとどうすれば良いか、この周は疲弊しきった脚を回復させなければならない。
できるだけ風を受けない位置で走行しようと試みるが、それ以上に立ち上がりで脚を使わされる。
しかもこの周は1周目でペースが落ちたところでもペースが落ちない。
もがき苦しみながら、2周目のフィニッシュラインを抜け、最終周へ。

予想通り最終周は尋常では無い程にペースが上がる。
途中までは食らいついていたのだが、コーナーを3つ曲がったあとの直線で付き切れ。
後方に何人かいたので最後尾に付こうとするが、脚が無く失敗。
仕方ないので、私と同じように千切れた選手と共に完走を目指す。
しかし皆脚が限界に達していたのか、ローテーションもうまくいかずすぐにバラバラに。
最後の力を振り絞りながら走り、3/4を過ぎた頃にチームカーが後ろからやってくる。
ここからはしばらく直線で前を引いてくれるようだったので、すぐさまチームカーの後ろに付き、できる限り速いペースでペダルを回す。
そしてコーナーに差し掛かったのでチームカーが少し先行し、私もコーナーを抜けてそれに追いつこうとペダルを踏むと、両足に衝撃が走り、攣ってしまう。
数秒間そのままの位置で脚が回せず、回せた後もぎこちないペダリングに。
その後は残り数百メートルだったので気合で回し、トップから236秒遅れの88位でゴールする結果となった。

なんとか完走はできたものの、集団内でゴールすることはできなかった。
今まで出たレースより更にパワーと持続力が要求された。
しかし今の自分の力でも、序盤から前方付近を走れていたら中切れにも合わず落車の被害も受けず脚を溜められていたかもしれない。
それで最後に走れなかったのならパワー不足ということになるが、まだまだ走り方を磨く必要があるようだ。
それでも監督やメンバーらの方々が走りを褒めて下さったので自信に繋がった。
次回からはもっと果敢に、積極的に、動いて行きたい。

6月3日(日) 15:15 Huijbergen(オランダ)


距離:2600m×38周 100km
出走者数:50
天候:曇り時々雨
結果:22



連戦で100kmのクリテリウム。

本日のレース会場は宿泊先Essenと国境を挟んで隣のHuijbergenという町で行われた。
距離にして約5kmなので、今スクールで一番近い会場だ。
シーズンを通すと、Essenから近い場所でこういったクリテリウムが5回は開催されるという。
なんとも整った環境である。

コースは12500mを超えるというクリテリウムにしては長めのコース。
直角コーナーは2ヶ所で、あとは緩やかに曲がっていくカーブが存在する。
小刻みにS字に曲がるところが1ヶ所あり、そこがレンガ畳となっているので、雨の場合は特に注意が必要だ。
町と林を抜ける為風の影響は受けにくいが、道幅は広くは無いので、走りにくいコースだと感じた。

朝から降っていた雨はスタート前には止み、レンガ畳の箇所は乾いていた。
一番の不安はレンガ畳が濡れていることだったので、あまり不安の無い状態でレースをスタートすることができた。

序盤のペースはやはり速いが、さっきまで路面が濡れていたせいかコーナーの進入速度は遅く、皆安全にコーナーを曲がっていく。
今回は序盤から前の方に行こうとするも、いつもと同じように抜いては後ろに戻され、といったことを繰り返し、あまり前方まで動けないまま周回を重ねる。

前方付近に行くことができたのは半分を過ぎてしばらくしてから。
その時には既に9人と8人の2つの逃げグループが形成されていた。
小雨も時々パラつき、集団が小康状態になった時に誰が飛び出してもいいように身構える。
残り10周の時点で一人が飛び出したので、すかさずそれに乗る。
しかし後方からは誰も付いてきておらず、二人で逃げることもできないだろうと判断したので大人しく集団に飲み込まれる。
ここで、前方付近で復帰できればよかったのだが集団に混ざるタイミングを誤り、集団後方へまで戻されることに。

残り3周となり、位置は未だに集団の中程。
このままではまた集団ゴールになってしまうかもしれないと恐れ、脚を使って前方から5番目付近まで位置を上げる。
残り2周で3/4を過ぎた頃、一人が飛び出し、もう一人が追う形に。
それを見てもう一度と私も必死に追うと、後ろからもう一人やってくる。
集団はこれを見逃し、4人で集団を抜け出すこと
に成功した。
4人で回している最中頻繁に集団が来ないか振り返っていたが、なんとか逃げ切れそうな距離だ。
ゴールが段々と近づいて来ていたので最後の踏ん張りを見せペダルを回すが、ゴール手前で私が先頭を引いていた為スプリントはロクにできず、後ろから一人で飛び出してきた選手にも抜かれ、22位でゴールする結果となった。

今回、最終周だけだが初めて少人数で逃げることができた。
これを序盤の内からやらなければならないのだが、少人数で逃げる雰囲気は少し掴めた。
残りの5レース、内2つはクラシックレースの予定だが、この感じを忘れずに戦って行きたい。

6月2日(土) 15:45 Papendrecht (オランダ)

距離        : 1500m×66周 100km
出走者数: 64
天候         晴れ
結果         : 34




最近暖かい気候が続いていたのだが、風が吹くと少し肌寒くも感じる程の気温にまで落ちた今日、オランダのクリテリウムとしては初めて100kmという距離を走る。
コースは四角形で、アスファルトとレンガ畳が半分ずつといった非常に簡単なコースなので、速度が高速になることは必至だ。
試走時に少し不安はあったが、スタート位置に付くとその不安は不思議と消えた。

最後方の位置からレーススタート。
簡単なコースゆえに、速度はどんどん上がる。
しばらく高速で縦一列に伸びていたので、後方の位置から全く前へ上がれず、序盤から焦りを感じていた。
集団の後方に居る選手は、脚の無い選手。
私も漏れなくその一人だ。
既に息は上がり、ついていくのがやっとという状態。
これで誰かが中切れを起こしたらどうなるだろう、いやその前にGeldropのクリテリウムのように私が千切れるかもしれない。
様々な悪い予感が脳裏をよぎる。
とにかく、今は我慢するしかないと、常に集団後方で速度が落ちる時を待った。

速度が落ちたな、と感じることができたのはスタートからおよそ45分経った頃。
心肺はまだ少し苦しかったが脚は回せそうだったので、できるだけ前へ上がっていく。
しかし皆考えることは同じようで、集団中程へ上がった次の周には何人もの選手に抜かれて後
方へ逆戻りするハメに。
そして、また同じように前方へ上がっていく。
中盤はこのずっと繰り返しであった。

残りの周回数も少なくなってきた頃、序盤より遥かにスピードが落ちてきていた。
だが、なかなか前に出ることができない。
団子状になっている時は常にイン側を走っていたのだが、それでも集団中程までいくのがやっとであった。

残り5周程からまた速度が伸び始め、集団は一列に。
しかし最終周には必ず団子状になるので、そこで一気に前に出るしかないと考え、必死に耐える。
そして最終周、第三コーナーを越えた辺りで団子状になったのでペダルを回し集団の前方まで行くも、最終コーナーでイン側にいた選手に気づかず驚いて無駄なブレーキをかけてしまい減速、34位でゴールする結果となった。

前方に居た方が楽だということは以前から身を持って知っていたが、今回は前にいくことすら容易ではなかった。
まだまだスピードも持続力も足りないのだろう。
しかし、速いと思うスピードでも完走することができたのは大きな自信になった。
やはりレースは最高のトレーニングになる。
次のレースも最低でも完走を果たし、力をつけていきたい。

5月29日(火) 18:30  Mol-Rauw (ベルギー)

距離      : 5km×22周 約110km
出走者数 : 66
天候         : 曇り時々晴れ
結果         : 27


ロードレースにおいて「逃げ」に乗ると、コース途中に設定されているポイントや賞を得られる可能性が高く、落車等のトラブルに巻き込まれる可能性が低い。
更に目立つので、スポンサーからすると喜ばしいことであるし、自分の名前も売ることができる。
しかし少人数で走行することになるので、実力が無いと逃げに乗ることは難しい。
今回はその逃げに乗ることを目標にしてレースに挑んだ。

コースはオールフラットで、路面はほぼアスファルト、直角コーナーが6つあるだけという非常に簡単なコース。
風もあまり強くなく、会場に着く前に少し雨に降られたので天気だけが心配の種であった。
そんな天気であった為か、出走者はベルギーのレースにしては少なめの66名に留まった。

スタートは、その位置がわからず選手達の動きを見ていた為、集団後方からとなった。
1周目はスピードが速く、とても前に行けない状態であったのでコースの確認も兼ねて様子を見ることに。
スピードが落ち着いてきた頃に徐々に前へ進み、機を伺う。
先頭でアタック合戦が何度かあったが、今日は集団が積極的なのか前方に位置する選手はとにかくそのアタックに反応し吸収するという展開が続いた。
その様子を見て、今日は逃げが成功しそうにないな、と思いつつも、4周目に集団が小康状態に入った時にアタックを仕掛ける。
今までは目一杯ペダルを踏んで逃げようと試みていたが、今回はじわじわと速度を上げて逃げていこうと試みる。
すると付いてきたのは3人だけ。
そのまま少し前を引き、先頭交代しようと合図するとすぐ後ろに居た選手が猛スピードで発車。
不意を突かれ、その3人の一番後ろに付こうとするも失敗し、スゴスゴと集団まで戻ることに。
集団に戻ってすぐに、その3人を追おうと集団がスピードアップしたためか中切れが発生し、集団へ戻るのに余計な足を使うハメになり、しばらく集団後方で足を溜めざるを得ない状況に陥ってしまう。
後でわかったことだが、私がその集団後方に居た時に4人の逃げが決まり、その逃げが最後まで続くことになる。

レース中盤、足が回復してきたのでまた前方へ上がるが、先頭付近を走行中にコーナーに高速で突入した為か後輪がスリップし、あわや落車しそうになる。
クリートも外れていなかったのでなんとか集団の最後尾で復帰することができたが、もし集団後方でこのようなことが起こっていたら、集団に取り残されリタイアする結果となっていただろう。
そう考えるとやはり集団の前方にいなくてはならないと、すぐさま前方へ上がる為にペダルを回した。

残り5周程になると、アタック合戦が激化。
誰かがアタックしては吸収、すると別の選手がすぐさまアタック、という集団が落ち着かない状況に。
私も逃げに乗ったり、逃げを潰したりといつも以上に気を張り巡らせながら周回を重ねる。

そして最終周、遂に何人かの選手が集団から抜け出すことに成功する。
集団もそれを追おうとするが、結局その飛び出した選手達も捕まえられないまま、私は集団の中程、27位でゴールする結果となった。
逃げに乗る、という目標を掲げ挑んだレースであったが、その目標は達成できなかった。
やはり肝心な場所、今回のレースで言えば序盤の逃げと、最終周の飛び出し、これに乗れていない。
乗ったとしてもスピードに付いていけたかはわからないが、とにかくまず乗らなければ何も始まらない。
逃げに乗ることができるようになれば、上位も見えてくるだろう。
残りのレース数は少なくなってきたが、地道に経験を重ね、上位へ食い込めるよう1レース1レースを大事にしていきたい。

5月27日(日) 15:30 Oudenbosch (オランダ)


距離         : 2000m×44周 88km
出走者数: 62
天候         晴れ
結果         未完走(47)



風はあるが雨の気配を感じさせない好天に恵まれた本日は、Oudenboschという町でレースが行われた。
ここにはサン・ピエトロ大聖堂を模した教会があり、その横がスタート&フィニッシュラインとなっている。
コースは三角形で、アスファルトの区間とレンガ畳の区間が半々という非常に易しいもの。
しかしゴール前が緩やかな上り坂になっている為、周回賞を取ったりゴール勝負したりする際にはパワーが要求される。

先頭から2列目の位置に立ち、レースはスタート。
選手達の走るラインを崩さず前へ出ようとするも、序盤だからか皆積極的ですぐに集団後方へ。
前の方へ位置することができたのは10周程経ってからだろうか。
その時には10人程の逃げグループが決まっており、集団からもポツポツと追走する選手達が出てくる。
私も負けじと追走グループに入るのだが、すぐに集団に吸収され定位置に戻される。
その間にも頻繁に追走しようとする選手が飛び出していく。
すべてのアタックに反応したいのだがそんな足は無いので、何人かの選手をマークしてその選手が飛び出したら私も飛び出すといった形で周りを観察しながら走行することに。

その状態で周回を重ね、半分以上過ぎた頃速度が落ちてくる。
私は未だ集団の前方付近に位置しており、逃げに乗れていなかった。
マークしている選手のアタックに反応するも逃げに繋がらなかったり、自分から飛び出して追走グループを作ろうと試みるも一人で逃げる形になり結局集団に戻ったりとなかなか事がうまく運ばない。

そうこうしている内にもじわじわと残りの周回数は減っていく。
逃げにはうまく乗れなかったがそれでも完走はできそうだ、と集団に残りながら思っていた矢先にスピーカーから「ラストロンド」と聞こえる。
鐘はなっていないし聞き間違いか、と思いつつもそのまま走り、ゴールラインを抜けると選手達は流すようにして走っていた。
やはり「ラストロンド」と言っていたのは聞き間違いでなく、逃げとの差が開きすぎたので集団は降ろされることとなったようだ。
消化不良のままコースを1周し、まだ走っている選手を羨ましく思いながら自転車を降りた。

今回常に前に出ようと思いながらアタックに反応するようにしていたのだが、それが全くうまくいかなかった。
上位を取っている選手は、逃げに乗る際にその逃げが成功するかどうかの見極めがうまく、更に自分からも何度も果敢にアタックして逃げを作ろうとしているのだろう。
私はその見極めや自分からのアタックがまだ甘いのだと思う。
改めてロードレースの難しさを知った。

本日はどこも不調な要素が無かっただけに、未完走という結果で終わってしまったのは非常に残念だが、これを良い経験として気持ちを切り替え、次のレースに挑む。

5月24日(木) 18:00 Kortenaken-Stok (ベルギー)


距離         : 12km×10周 120km
出走者数: 154
天候         曇り
結果         : 78
  

本日のレースは、53日に行われたKortenaken-Stokと全く同じコースで行われた。
顔ぶれもほぼ一緒で、天気も似たような感じだ。
風は以前より弱め、気温は高めといったところか。
このレースで前回は71位でのゴールだったので、それ以上を目標にし、スタートした。

以前と同じように、スタート後あまり速度はあがらず一定ペースで2周を終える。
集団の前方に居たので逃げができれば乗ろうと思っていたのだが、団子状の集団の真ん中に居た為アタックがあっても反応できず。

3周目、集団は縦に伸び、アタック合戦も頻繁に行われていたようで逃げグループができる。
この時の私は集団の中程におり、逃げる様子が見えていたのだがそこから飛び出す勇気も足もないと思ったので、ここでも何もせず。

そこからじわじわと前へ上がっては行くのだが、既に逃げグループとの差は絶望的な差になっており、集団は追うのを諦めている状態。
何人かが飛び出し集団の活性化を図ろうとするも、集団は終始一定ペースを守り走行。
飛び出した何人かを吸収しながら淡々と進んでいく。

残り3周頃から前方のローテーションに加わり、集団を引く。
ここまで何もしていなかったので、前を引く時は何も考えずがむしゃらにペダルを回す。
前を引くとすぐに足が悲鳴を上げるが、ここで音を上げていては逃げになんて到底乗れないと考え、限界の直前まで先頭を走る。

残り2周になっても特に動きはなく、最終周へ。
ずっと同じように前方でローテーションしながらゴールを目指す。
もう良い順位は取れないだろうと思っていたので、全力を出しきってゴールしようと残り1kmからゴール前まで出せるだけの力を出しきり、スプリントする余力もなく78位でゴールする結果に終わった。
 
前回の71位という結果を越えられなかったのは、前半ずっと消極的だったからだろう。
ここ2レースを走って思ったが、体調を崩してからどうも積極的になれていない。
また体調を崩したら、と思ってしまい勝手にブレーキをかけているのだろう。
これをなんとか打開せねばならない。
日曜日はオランダのクリテリウムなので、ここでまた基本に戻って走り方をもう一度磨き直し、上位を目指していきたい。

5月22日(火) 18:00 Booischot(ベルギー)

距離         : 7.5k m×16周 120km
出走者数150
天候         晴れ一時雨
結果         完走(着順不明、100位程)



体調が良くなってからの初戦は、完走率が非常に高いと言われているBooischotのレースだ。

天気は良好、風もあまり強くない。
コースレイアウトは、アップダウンも難しいコーナーも無く、ほぼアスファルト路面なので非常に易しいものとなっている。

レースがスタートし、3周目程までは非常にスローペースで展開された。
4周目に何人かがアタックしペースが上がる。
その逃げは成立し、数周後にその逃げと同じくらいの人数が追走するが、集団は追わず。
後方から見ており、なんと消極的な集団だろうと思ってはいたのだが、追走できる足がなく、集団の後方で懸命にペダルを回す。

全く前方に行けない状況が続き、残り5周。
逃げとの差は絶望的な程まで広がっていたようで、集団はよりペースダウン。
更にその集団も分裂してしまい、誰も前の第三集団を追わなかったので距離はすぐに広まる。
第四集団に居たほとんどの選手達は消極的で先頭を引かなかったので、若狭選手と私が主になって先頭を引き、前を追う。

残り2周頃でやっと第三集団に追いつき元の集団に。
しかし既に足も心肺も悲鳴を上げている。
あとは完走を目指して根性だけでペダルを回すだけ。
最終周もそのまま集団の先頭付近に位置し、ゴール直前には後ろで足を溜めていたであろう選手達にスプリントで抜かれはしたが、無事完走を果たした。

体調が万全でない私にとって、今回のようなレースは非常に助かった。
何故なら私達の目標の1つは、1つでも多くのレースを完走することだからだ。
しかし今回終始集団の後方に居てわかったが、ただ完走するにも前方に居ないと非常に危険だと改めて感じた。
後方にいる選手は基本的に足が無く消極的な選手ばかりなのだから、一度中切れなんかを起こしてしまうともう取り返しのつかないことになる。
前方にいると中切れはまず起きず、起きてもそれをカバーできる選手がいる。
こういった点から見て、どんなに体調が悪くとも前方でレースを展開しなければいけないことがわかる。
次回のレースは一度完走したことのあるコースで行われるので、体調が回復仕切っていなくても逃げに乗る勢いでこれに臨む。

5月20日(日) 16:15 Breda (オランダ)


距離         : 1200m×66周 79.2km
出走者数: 48
天候         晴れ
結果         未出走


Hoogerheideのクリテリウムを走った晩から体調が崩れ、本日まで体調が芳しく無かった為、今回のレースは見送ることにした。
体調が悪くなった原因は恐らく、雨の中のレースを走ったことで体力が大幅に低下し風邪気味になり、更にそれが治らない内に強度の高いレースを行ったことで内臓系に負担がかかったからだと思われる。
こちらで出られるレースも予定では半分を切っているので、できるだけ多くのレースに出走できるよう今後の過ごし方を見直していく。

5月18日(金) 19:00 Hoogerheide (オランダ)


距離         : 1900m×42周 79.8km
出走者数: 55
天候         曇り時々雨
結果         : 29



今レース会場は、現在滞在している町Essenのすぐ近くにあり、練習でも度々通過している場所なので馴染み深いところだ。
更に、宿泊先のホテルを経営しているご家族が応援に駆けつけてくれる、という話も聞いた。
これは最悪でも完走は果たさなければならない。
そんな気概で臨んだレースであった。

本日の天気はいまいちパッとしない曇り空。
昼間のレースならば涼しくて良いのだが、19時スタートということもあり少々寒いと感じられた。
風はさして強くはないが、旗が常になびく程には吹いている。
コースは8つのコーナーがあり、短いが上り下りもある。
更にその上りの頂上が山岳ポイントとして設定されており、今までのオランダクリテリウムとは一風変わった様相を呈している。
もちろん今までの様に周回賞もある為、スピードが落ちないところはないのではないか?と、レースを始める前から過酷なレースになるだろうということは簡単に予想できた。

そんな今レースの出走者は55名。
私達はその中程でスタートを待つ。
その間雨が何粒か手に当たったが、本降りになることは無く、レースはスタート。
右への鋭角気味なコーナーから下りに入るのだが、そこでもダンシングでスピードを乗せる選手達。
まさか下りでもがくとは思っていなかったので面食らうも、すぐに真似してそれに付いて行く。
下りからそのまま右へ直角に曲がり、そして例の山岳ポイントのある上りへと続く。
ここでも選手達はできるだけスピードを殺さない為かフルダンシングで突破する。
その後いくつかあるコーナーでも、コーナーを抜けてからの立ち上がりがいつも通りの速度なので、1周を終えた時点で呼吸が酷く乱れていた。

いつもと違うコースレイアウトだが、いつもと同じスピード。
パワーの要求されるコースとは言え、えずく程呼吸が乱れるものなのか。
もしかすると気持ちが先走っていて走り方がお粗末になっているかもしれないと、そこからは集団後方で11周丁寧な走りを心がけ、今まで行なってきたことを思い出しながら徐々に呼吸を整えていく。

残り20周という周回板の数字を確認し、半分を過ぎたということで気持ちが落ち着いたのか、今まで感じていた辛さがフッと消える。
宿泊先のご家族の応援も加熱していたので、さぁここからだと気合を入れ直すが、前方の一列に並んだ長い列が目に入る。
その光景にげんなりとしながらも、いつも通り集団が団子状になる時に徐々に前に上がって行く。

そして最終周、皆疲れ果てていたのか集団のスピードが上がらない。
残り500m程のところで牽制状態になり、再び団子状に。
皆賞金の為にできるだけいい順位を取ろうとしているのだろう。
賞金は私ももちろん欲しいが、賞金をもらう為に
レースをやりに来たわけではない。
脇目もふらず集団をパスし、一人でゴールに向かう。
500mは持つだろうという力加減でペダルを回したハズだったが、足を使い果たしていたのか、残り200m程で失速。
後方から来た集団全員に抜かれ29位でゴールする結果となった。

今回なんとか完走はできたが、今までのコースレイアウトと違うというだけで酷く疲弊したレースであった。
こちらの選手は多数のレースに出場している為、どんなコースでも対応できる応用力があるという。
私にはまだそれがないので、どんなコースでも「いつも通り」「平常心」を心がけ、これからのレースに臨みたい。

5月15日(火) 16:30 Lommel(ベルギー)

距離         : 7.1km×15周 106km
出走者数: 44
天候         
結果         : 23





言葉の壁。
これまで何度もこれにぶち当たってきたが、今レースほどもどかしい気持ちになったのは初めてであった。

この日も朝からしとしとと雨が降っており、レース中も降るだろうという気持ちで会場入りした。
コースはオールフラットだが、コーナー数が多く、更に長めのストレートもあるというこれまでの集大成のようなレイアウトだ。
この日は50位まで賞金がでるようであったが、この天候の為か出走者は少なく50人にも満たなかった。

スタート前、雨は止んだり小雨になったりを繰り返していた。
早めにアップを終え、最前列でスタートを待つ。
その間、山宮コーチから頂いたアドバイスを思い出す。
「なるべく前方を走る」ことと、「慣れてきた頃こそ、気を引き締める」ことだ。
徐々に完走するレースも増えてきており、最近は上位を狙おうという気持ちが強かった。
しかしまだまだ経験が少ないことに変わりはない。
ここでおかしなことをして落車をしたり他の選手に迷惑をかけたりするようなことがあってはならない。
更に本日は雨でいつもと条件が違う。
本格的な雨の中レースをしたことは2レース目のKumtich-Tienenしかないので、余計に危険が伴う。
よって、今回はあまり上位を狙おうとせずに、前方で安定した走りをして完走することを目標にすることに決めた。

定刻より少し過ぎてからレースはスタート。
最前列にいた為少しの間先頭で引く。
何回かコーナーを抜けた後に一人がアタックし、3人が追走したので私もすかさずそれに乗る。
集団の方を振り返ると動きが無いようだったので、逃げが決まるか?と思ったがまたコーナーを数回曲がり、直線区間になった時に吸収される。
ここで別の選手がアタックをしかけたので、もう一度乗ろうとするも足が付いていかなかったため諦めて集団へ戻る。

そのまま集団内でしばらく居ると、雨が激しさを増し、いつの間にか中切れが発生。
前を見るとかなりの距離が開いていた。
早く追いつきたいであろう同士数人でローテーションを組み、前を追う。
その際、「Go,Go!」「Come on!」等の言葉が飛び交う。
その言葉に従い前を引くが、それを言っている当人らはあまり引かない。
ムッとしたが、こちらはレースに参加させてもらっている身であり、更に相手に言う言葉も思いつかなかったので、トレーニングだと割りきって先頭を多めに引く。

そのまま5周程回ったところで前のグループに追いつくが、コーナーの立ち上がりで千切れる選手がチラホラと出てくる。
そういった選手をできるだけ早く見極めて躱し、前へ前へと上がる。

残り5周を切った頃、雨は上がったが気温が下がったのか、急激な冷えに襲われる。
手足はかじかみ、満足に体を動かせる状態ではないが、完走は見えてきたので根性を出してペダルを回し続ける。
ここでもアタック合戦が行われ、ただひたすらにアタックを潰そうと追走に入る。
追走した時も、集団内でそのアタックを追う時も、先ほどのように怒号が飛び交う。
この時既に私の足は大きく疲弊しており、休ませてくれ、前を引いてくれと、言葉がわからないのでジェスチャーで示すがなかなか伝わらない。
伝わったと思っても後方からいきなりハイスピードで飛び出していくので、ついていくのがやっとという状態であった。

そんな状態のまま最終周を迎え、集団内でゴールし、23位という順位が付いた。

一応、今レースの目標である「なるべく前方に位置しながら完走」は達成できたと思う。
しかし、逃げに乗れず、アタックも満足に潰せないのは、トップスピードに乗ってからの持続力がまだまだ足りないという表れだろう。
また、言葉もなんとかしなければならない。
相手の言葉の発し方で言っていることは大体わかるが、こちらから言いたいことは全く言えない。
少しずつでも勉強し、レースでスムーズな対応ができるよう、言葉も身に着けるようにしたい。

5月13日(日) 15:30 Nieuw Vossemeer(オランダ)

距離         : 2600m×36周 93km
出走者数90
天候         晴れ
結果         : 26



丁度10レース目の今レース。
遠征の良い転機にしたいという思いと、前回機材トラブルによりレースに参戦できなかったので、その分を取り返そうという意気込みを持って臨んだレースであった。

そんな本日の天気は、朝から青い空が一面に広がり、雨の気配を微塵も感じさせない晴れ模様であった。
コースはほぼ長方形に近く難しいコーナーは無いが、コースの半分は堤防の上を走るので、風を読んで走らなければいけないこと請け合いだ。
もとより山宮コーチから風が吹けば厄介なコースだと教えて頂いていたので不安だったが、運良く風は微風であった。
晴天の日曜日なので出走者数はオランダクリテリウムにしては多く90名近くに上った。

さて、もう一つの不安材料スタート位置である。
前に女子のレースをやっており、それが終わると同時に選手はスタート位置へ駆け込む。
私達もそれに付いて行くが、中~後方でのスタートすることとなった。

予定より10分遅れでレースはスタート。
直線を抜け、少し有る斜面を上り堤防へ出る。
歩いている時に感じた風は穏やかなものであったが、自転車に乗るとそんなことはなく、暴風のようにさえ感じられた。
そんな中でアタック合戦が行われ、それに合わせて集団のスピードも上がった為、後ろからのスタートだった私は前に上がれるハズもなく、とにかく離れないようすることで精一杯であった。
6周目までアタック合戦が行われたが逃げには繋がらず、先頭の選手達が疲弊したのか集団は落ち着き、しばらくほぼ一定のペースで走行する。

その合間に逃げ集団ができそうになるがすぐ吸収される、という展開が何度も続き、残り18周。
集団のペースがグッと下がったので一気に前に出ようと追い風の区間で加速。
それと同時に先頭の選手も何人かアタックを仕掛けたのでそれに乗車。
しかしすぐに吸収され、また元の位置、元のペースに戻される。

なんとか前に出なければと思いながら周回を重ね、ふと後ろを見るとそこには誰もおらず、最後尾を知らせる車だけが走っている。
いつの間にやら何人もの選手が脱落していたようだ。
このままではじきに私も脱落してしまうと焦りを覚え、向かい風の区間でも関係無く足を使って集団の中程まで上がる。

残り5周。
誰もが勝利に向け思考を巡らせる時だ。
集団のスピードは上がり一列棒状に。
しかしここで焦ってはいけない。
必ずスピードが落ちる時が来る、その時が勝負だ。
残り3周の時点で案の定スピードが落ちたので、じわじわと前へ上がり、残り2周の半分を過ぎた辺りで先頭付近まで出ることに成功する。
そして、一人がアタックをしかけたのを見て私も追走。
そのまま最終周へ突入し、2人で逃げる。
が、集団のスピードはやはり速く、すぐに捕まり団子状になっている集団の真ん中へ。
周りが人なので風は全く受けないが、その分前方へも行けない。
失敗した、と思いながらもできるだけいい順位でゴールしようと居場所を探る。
少しでも隙間があればそこに入りこみ、前へ前へと自転車を動かす。
最後のコーナーを慎重に抜け、ゴールスプリントで何人か交わし、26位でフィニッシュ、初めて賞金を獲得することができた。

今回も後半になって前方でレースを展開することができたが、やはり前半は後ろで集団に付いているだけだった。
最初から最後まで前方に位置する、これを当面の目標にして次回からのレースに臨みたい。