5月15日(火) 16:30 Lommel(ベルギー)

距離         : 7.1km×15周 106km
出走者数: 44
天候         
結果         : 23





言葉の壁。
これまで何度もこれにぶち当たってきたが、今レースほどもどかしい気持ちになったのは初めてであった。

この日も朝からしとしとと雨が降っており、レース中も降るだろうという気持ちで会場入りした。
コースはオールフラットだが、コーナー数が多く、更に長めのストレートもあるというこれまでの集大成のようなレイアウトだ。
この日は50位まで賞金がでるようであったが、この天候の為か出走者は少なく50人にも満たなかった。

スタート前、雨は止んだり小雨になったりを繰り返していた。
早めにアップを終え、最前列でスタートを待つ。
その間、山宮コーチから頂いたアドバイスを思い出す。
「なるべく前方を走る」ことと、「慣れてきた頃こそ、気を引き締める」ことだ。
徐々に完走するレースも増えてきており、最近は上位を狙おうという気持ちが強かった。
しかしまだまだ経験が少ないことに変わりはない。
ここでおかしなことをして落車をしたり他の選手に迷惑をかけたりするようなことがあってはならない。
更に本日は雨でいつもと条件が違う。
本格的な雨の中レースをしたことは2レース目のKumtich-Tienenしかないので、余計に危険が伴う。
よって、今回はあまり上位を狙おうとせずに、前方で安定した走りをして完走することを目標にすることに決めた。

定刻より少し過ぎてからレースはスタート。
最前列にいた為少しの間先頭で引く。
何回かコーナーを抜けた後に一人がアタックし、3人が追走したので私もすかさずそれに乗る。
集団の方を振り返ると動きが無いようだったので、逃げが決まるか?と思ったがまたコーナーを数回曲がり、直線区間になった時に吸収される。
ここで別の選手がアタックをしかけたので、もう一度乗ろうとするも足が付いていかなかったため諦めて集団へ戻る。

そのまま集団内でしばらく居ると、雨が激しさを増し、いつの間にか中切れが発生。
前を見るとかなりの距離が開いていた。
早く追いつきたいであろう同士数人でローテーションを組み、前を追う。
その際、「Go,Go!」「Come on!」等の言葉が飛び交う。
その言葉に従い前を引くが、それを言っている当人らはあまり引かない。
ムッとしたが、こちらはレースに参加させてもらっている身であり、更に相手に言う言葉も思いつかなかったので、トレーニングだと割りきって先頭を多めに引く。

そのまま5周程回ったところで前のグループに追いつくが、コーナーの立ち上がりで千切れる選手がチラホラと出てくる。
そういった選手をできるだけ早く見極めて躱し、前へ前へと上がる。

残り5周を切った頃、雨は上がったが気温が下がったのか、急激な冷えに襲われる。
手足はかじかみ、満足に体を動かせる状態ではないが、完走は見えてきたので根性を出してペダルを回し続ける。
ここでもアタック合戦が行われ、ただひたすらにアタックを潰そうと追走に入る。
追走した時も、集団内でそのアタックを追う時も、先ほどのように怒号が飛び交う。
この時既に私の足は大きく疲弊しており、休ませてくれ、前を引いてくれと、言葉がわからないのでジェスチャーで示すがなかなか伝わらない。
伝わったと思っても後方からいきなりハイスピードで飛び出していくので、ついていくのがやっとという状態であった。

そんな状態のまま最終周を迎え、集団内でゴールし、23位という順位が付いた。

一応、今レースの目標である「なるべく前方に位置しながら完走」は達成できたと思う。
しかし、逃げに乗れず、アタックも満足に潰せないのは、トップスピードに乗ってからの持続力がまだまだ足りないという表れだろう。
また、言葉もなんとかしなければならない。
相手の言葉の発し方で言っていることは大体わかるが、こちらから言いたいことは全く言えない。
少しずつでも勉強し、レースでスムーズな対応ができるよう、言葉も身に着けるようにしたい。