4月30日(月) 15:15 Geldrop (オランダ)

距離         : 1800m×40周 72km
出走者数: 73
天候         晴れ
結果         未完走(-4Lap 48)


こちらに来てから昨日の429日までの12日間、雨が降らなかった日は無かった。
しかし今日は晴天に恵まれ、初めて雨に降られずに自転車に乗ることができた日であった。
風はそよ風程度。
出走者数はこの天気の良さもあってか70名を超える。
コースは本日もオールフラットで、ほとんどがレンガ畳のコース。
コーナー数は7つで大きく減速する箇所が1つあり、昨日より多少難しくなっている。
他には車の減速帯として設けられた起伏がいくつもあり、これが厄介な点であった。

レース開始前、今回は私達が出場する前のレースが終わる前にコースに着くことができたが、ゼッケン番号順に並び直された為ポールポジションは取れず。
私は集団の丁度真ん中に位置していた。
晴天、更に祝日ということもあり、観客が大勢いる中レースはスタート。
もう最初のハイスピードな展開には驚かないし、慣れてもきた。
コーナリングも前の選手に続けば怖くもなく楽に突破できる。

今日は完走できるのではないか?
最初はそう思った。
しかし、その夢は長く続かなかった。

今回のコースには5600mの直線があり、そこで選手たちは大きく加速し、曲がるまでそのスピードを維持する。
更にそこには減速帯の起伏が3つほどあり、それにハイスピードで突っ込む為、うまく乗らないと前との差が少しできてしまう。
私はそれに乗ることが下手で、ほぼ毎回前と差が少しではあるが開いてしまい、無駄な足を使ってしまっていた。
それがいけなかったのだろう。
30分が経過すると、途端にその直線でついて行けなくなったのだ。
さっきと同じように踏んでいるのに何故だ、と考えている内に集団からあっという間に離され、単独で走ることに。

その後、6周程走るたびに集団が後ろから迫ってくるのでそれに乗り、2周程付いて行くも千切れる、ということを繰り返し、4ラップされたところでレースを降ろされることとなった。
走行距離は約60km、時間にして2時間程と、今まででは一番長く走ったレースであった。

今回、共に遠征に参加している若狭選手と初めて一緒のグループで走行し、その時気になった点があったということで教えを請うた。
彼曰く、「他の選手より上下左右の振れ幅が大きい」とのことであった。
つまり、自分では真っ直ぐ走っているつもりでいても実際は真っ直ぐ走れておらず、力が別の場所に逃げてしまい無駄な力を使っている、ということだ。
それでは他の選手より先に疲れてもおかしくはない。
加えて「一定のペースを刻まず加減速する為、後ろにいても疲れる」ということも教えてもらった。
恐らくその時私は減速帯を通過していたか、もしくはただの直線でも少し速度が下がったからといってすぐに元の速度に戻そうとペダルを踏んで無駄な加速をしていたか、このどちらかを行なっていたのだろう。
この2つの悪い癖を遠征の序盤で知れたのは非常に大きい収穫だと思う。



次回のレースでは、これらをできる限りしないよう意識して臨む。

4月29日(日) 14:45 Made (オランダ)


距離         : 1200m×65周 78km
出走者数 : 57
天候         晴れ一時雨
結果         未完走(-1Lap 36)



オランダのクリテリウム初戦である。
ベルギーのロードレースとは違い、1周の距離が短くどうしてもコーナーを走る機会が多くなる為、加減速を繰り返し頻繁に行わなければならない。
道幅も狭いので位置取りも重要だ。
故に集中を切らすことは絶対に許されない。

本日の天候は、朝の内は暗雲が立ち込めていたが、レース直前には晴れ間が見えたことで気温も高くなり、風は無く、とても走りやすい気候となった。
コースは海抜0m以下のマーデという町を回るオールフラットなコース。
ほぼ長方形に近く、難しいコーナーは無い。
レンガ畳の区間は3/4を占めていたが、荒れていることもなく、試走時の時点でコースの心配は無いと悟った。
出走者は60名弱。別の場所でクラシックレースが行われていた為予想よりも少なめ。
スタート位置は、ホイールを置くピットを探すのに手間取り、最後列に近い位置に。
これが今回の一番の失敗だろう。

定刻になりレースはスタート。
いつも通りハイスピードなスタートで、集団から振り落とされないように必死に食らいつく。
そして、序盤から隙あらば少しでも前方に出ようと、道幅が広くなるところで数人の選手をパスしながらコースを駆ける。

15分経った頃だろうか、急に集団が大人しくなる。
上がっていた息を整えられるくらいに、だ。
その時私は「15分ハイスピードな展開になると、次の15分は落ち着き、それが繰り返される」という山宮コーチの言葉を思い出し、コレか、と心の中で呟きながら周回を重ねる。
この時前方では14名の逃げが決まり、更には集団内に強い選手が残っていなかった。
これが私の息が整う程集団が落ち着いた要因だ。
しかしそれを知ったのはレースを終えた後のこと。
集団中ほどに居た私はそんな展開になっているとは気づきもせず、のうのうと走っていただけであった。

30周を過ぎる頃、私はまだメイン集団中ほどで燻っていた。
速度が落ちた時は前方に上がり、ローテーションに加わって前を引くくらいのことはできていたのだが、コーナリングスキルやその後の立ち上がりがまだまだ甘いせいかすぐに中ほどまで戻されてしまっていたのだ。
これではいけないと前方で留まることを心がけ、積極的に前を引く。
すると突然パラパラと雨が降り出し、路面がほのかに湿り気を帯びる。
マズいな、と思いつつも前を引きながらコーナーへ侵入。
その直後、緩いうねった道で後ろから猛スピードで何人かの選手が隣に来たことに驚き、ラインが乱れ、柵にこすりつけそうになったので咄嗟にブレーキをかけると後輪が浮く。
その瞬間は落車したと思ったのだが、大きく浮かなかった為なんとか立て直すことができ、間一髪落車は免れた。
そこで濡れた路面に少し恐怖心を持ってしまい、今までより減速してコーナーを曲がるはめになる。
そして次の周、私が落車しそうになった地点で落車が発生。
集団もコーナーでは減速するようになり、運良く今までどおり集団内で走行可能になり、ホッと息をつく。

雨はほんの少し降っただけで止み、日が差すと路面もすぐに乾いた。
その頃には恐怖心も無くなり、気づけば残り15周を切っている。
ただ、何人にも横から抜かれており、集団も数グループに分かれていたので、今私がどこの位置にいるかはさっぱりわからなくなっていた。
だが、とにかく走れば完走はあるかもしれないという気持ちは持ち続け、ひたすらにペダルを回す。
残り13周の文字が見えたところでラスト一周のコールがかかる。
その瞬間私がいたグループは活性化し、一列で曲がっていたコーナーも団子状態で曲がるようになる。
負けじと輪の中に入り、できるだけいい着順を付けようとゴール手前でもがくも、8人ほどいたグループの後方でゴールし、レースを終えた。
その後調べた結果によると、未完走ではあるが、36位という着順を付けられていた。

今回のレースは、上記にもあるがスタート位置がまず悪く、それが大きな敗因となった。
まだ実力、経験共に不足している私にとって、前方の位置でのスタートは必要不可欠なので、明日あるクリテリウムでは前方でスタートできるよう早めに準備を行うようにする。
課題としているコーナリング、そしてその後の立ち上がりは、未熟ではあるが徐々ついていけるようになっている。
だが離されることもまだまだあるので、日々のトレーニングを怠らないよう、そしてレースでは度胸を持って臨むようにする。
そして、レベルが低かったということもあるが、前回や前々回のレースより遥かに良く走れたので、この感覚は忘れずに次回以降のレースに生かしたい。

4月25日(水) 18:00 Kumtich-Tienen (ベルギー)


距離         :12km×10周 120km
出走者数:160
天候         :
結果         :未完走(2)




24km
本日走った距離である。
たった2周しかできなかった。
この現実が、私に重くのしかかる。

本日の天候は雨、そして強めの風。
コースは蝶のような形で、起伏があり、私達日本人にとって闘いやすい地形であった。
レース前から雨が降っており、当日エントリーなのにも関わらず160名が出走。
こちらの選手のモチベーションは素晴らしい。是非見習う点である。
スタート位置は中程より少し前方とやや苦しい位置。
前に出ることだけを考えてスタートを待つ。

合図は何も聞こえないまま前方で人が蠢き、レースはスタート。
スタート直後は短い下り、左直角コーナー、そして上りと続く為出足は遅め。
風雨の影響もあるだろう。
集団は、原因はわからないが、特に何も無い所で何度か大きく減速し加速するといったことを繰り返し、すぐに縦に伸びていった。
この時既に先頭近辺に行っていなければいけなかったのだが、様子を見てしまったのがいけなかった。
起伏のあるコース故に、中切れが頻発。
集団中程にいた私は、1周目の3/4程度を走ったところでいつの間にか単独になる。
前や後ろを見てみるも皆独走しており、追走できそうなグループがない。
道路脇に寄り、早くもレースを投げている選手も何人もいた。
そのままの状態で1周目は終了。2週目へ。

2週目、追いついてきた3人グループと共にローテーションを組んで走るが、上りで足並みが揃わず独走と同じような体制に。
2週目の半分を走った頃だろうか、最後尾を知らせる車に抜かれ、私のレースはそこで終了した。
コースレイアウトは私の好むものだっただけに、何もできないまま終わってしまったのが非常に悔やまれる。
後は残っている残り半分のコースを自力で走りスタート地点を目指すだけ。
レースは終わっているが、レース経験が至極未熟な私は「レース感」だけでも味わいたく、別のグループのローテーションに混ぜてもらうことに。
上りと風とで最終的にグループは3人になり、ゴール直前に一人が「sprint?」と言ったので3人だけでゴールスプリント。
上りは苦手そうな彼らでも、スプリント時にはイキイキしているところを見ると、瞬発的な力は彼らのほうが圧倒的に上のようだ。
ゴール後健闘を讃え合い、自転車を降りた。
わずか40分の出来事である。

今回のレースで、前回記述したコーナーリングだとかその後の立ち上がりだとかの反省の前に、レースにもっと貪欲にならねばならないと感じた。
それこそ、今日賞金を取らねば明日の食事ができない、くらいのストイックな考えが必要だ。
たった24km走った程度ではトレーニングにもならないし、なによりサポート頂いているパールイズミ様に申し訳が立たない。

次回、ベルギーのロードレースより厳しいと言うオランダのクリテリウムが2日連続である。
意識を変え、なんとしてでも賞金を持って帰る気概で、これに臨む。





4月22日(日) 15:30 Niel (ベルギー)


距離          :  6.9×15周 103km
出走者数 : 154
天候          雨のち晴れ
結果          未完走(7)



1周目で心が折れそうになる、こんな経験は初めてだった。

ベルギーへ訪れて初めてのレースはニールという町で行われた。
コースはほぼ平坦で、勾配2%程の下り上りが1箇所、短い石畳が3箇所あり、90度を超えるコーナーは無く、難しいコースではない。
レース開始前までは比較的良い天気で、エントリー数は150名を超える。
しかし開始時の天候は生憎の雨。更に15時スタート予定だったはずが、受付の不備と恐らく車両通行の関係で遅れ、気温10度前後の寒空の下スタート位置に30分も待たされることになる。
ここで上着等を着れば冷えを抑えられたのだが、言葉がわからず何故スタートが遅れているのか理解できなかった私達は呆然とその場に立ち尽くすことしかできなかった。
スタートの仕方もわからず、選手達がラインを踏み超えてじりじりと前へ進むのに倣い、同じような行動を取る。
日本のようにピストルを鳴らしてのスタートではなく、スターターの掛け声でレースが開始したので、戸惑いつつもクリートをキャッチし、レースに参戦していった。

スタート直後、私は経験したことのないスピードに臆してしまう。
序盤から突然50km/h以上にもなるハイスピードな展開と、少しでも隙間があればそこに飛び込み、狭路でも隣との接触を恐れずにそのままのラインで走行していく選手たちの積極的な様には驚嘆した。
スタート位置で隣に居た方が山宮コーチのお知り合いで、それも先週のレースで上位に入った方だとお聞きしていたので、まずはその人に付いて行こうと思っていたのだが、その序盤からの展開に圧倒されすぐに見失ってしまう。
「前へ行かなければ苦しい」ということは事前に心得ていたが、私の実力ではとても前へ出ることはできないと竦んでしまい、1周目はただただ集団内で我慢するだけで終えることになってしまった。

2週目、3週目になってくると1周目より集団も落ち着き、心に余裕ができてきたので少しずつ前へ行こうと選手達をパスしていく。
そして、この心に余裕のできた3週目で自分の弱点が発覚した。
それは、コーナリングの甘さ。
前の選手と同じラインを通ってはいるのだが、減速しすぎてしまう為か間が開いてしまうのだ。
これにより前の選手との間を詰めなければいけないハメになり、余計な足を使って体力を消耗してしまう。こんなことが何度も続いた。

6週目、私は中切れを起こした選手のグループにおり、気づいた時にはメイン集団との差がじわじわと開いていくばかりだった。
その事実に焦りを覚えた私は、飛び出した選手の後ろに付きローテーションを組んで前を追う。
・・・つもりだったのだが、他の選手が下りの勢いそのままに登り切る上りで、どうしても前との差を詰められず、結果力尽きてしまった。
後ろに付いていた選手に背中を押してもらうも、そこから出せる力が残っておらず「Thank you」と声を掛けて前へ行かせ、後方へ下がる。
その更に後ろから来た小グループの波に乗りローテーションを組むが、足は回復しきっておらず、数秒前を引くだけで横からすぐに他の選手が抜いていく形で走行することになる。
この時私は、ほとんどの時間を後ろに付いているだけで何もできないコバンザメと成り下がってしまっていた。

そして7週目、遂にそのグループからも千切れ、スタート地点に戻った時点でレースを降ろさることになった。

今回の反省としては、コーナリングの甘さ、これが第一に挙げられる。
これを克服するにはレース時の度胸が要るのと、普段の練習から後ろにピッタリ付いてコーナーをパスできるように訓練する必要が大いにある。
第二に、そのコーナリング後の立ち上がりだ。
今まで出場した日本のレースとはまるで違う速度で展開されるので、インターバル等のトレーニングを欠かさず行い、ハイスピードな展開になっても付いていけるようにする。

今回はこのような不甲斐ない結果に終わってしまったので、3日後のレースは今回の反省を基に、積極的なレース展開ができるようにしたい。