4月22日(日) 15:30 Niel (ベルギー)


距離          :  6.9×15周 103km
出走者数 : 154
天候          雨のち晴れ
結果          未完走(7)



1周目で心が折れそうになる、こんな経験は初めてだった。

ベルギーへ訪れて初めてのレースはニールという町で行われた。
コースはほぼ平坦で、勾配2%程の下り上りが1箇所、短い石畳が3箇所あり、90度を超えるコーナーは無く、難しいコースではない。
レース開始前までは比較的良い天気で、エントリー数は150名を超える。
しかし開始時の天候は生憎の雨。更に15時スタート予定だったはずが、受付の不備と恐らく車両通行の関係で遅れ、気温10度前後の寒空の下スタート位置に30分も待たされることになる。
ここで上着等を着れば冷えを抑えられたのだが、言葉がわからず何故スタートが遅れているのか理解できなかった私達は呆然とその場に立ち尽くすことしかできなかった。
スタートの仕方もわからず、選手達がラインを踏み超えてじりじりと前へ進むのに倣い、同じような行動を取る。
日本のようにピストルを鳴らしてのスタートではなく、スターターの掛け声でレースが開始したので、戸惑いつつもクリートをキャッチし、レースに参戦していった。

スタート直後、私は経験したことのないスピードに臆してしまう。
序盤から突然50km/h以上にもなるハイスピードな展開と、少しでも隙間があればそこに飛び込み、狭路でも隣との接触を恐れずにそのままのラインで走行していく選手たちの積極的な様には驚嘆した。
スタート位置で隣に居た方が山宮コーチのお知り合いで、それも先週のレースで上位に入った方だとお聞きしていたので、まずはその人に付いて行こうと思っていたのだが、その序盤からの展開に圧倒されすぐに見失ってしまう。
「前へ行かなければ苦しい」ということは事前に心得ていたが、私の実力ではとても前へ出ることはできないと竦んでしまい、1周目はただただ集団内で我慢するだけで終えることになってしまった。

2週目、3週目になってくると1周目より集団も落ち着き、心に余裕ができてきたので少しずつ前へ行こうと選手達をパスしていく。
そして、この心に余裕のできた3週目で自分の弱点が発覚した。
それは、コーナリングの甘さ。
前の選手と同じラインを通ってはいるのだが、減速しすぎてしまう為か間が開いてしまうのだ。
これにより前の選手との間を詰めなければいけないハメになり、余計な足を使って体力を消耗してしまう。こんなことが何度も続いた。

6週目、私は中切れを起こした選手のグループにおり、気づいた時にはメイン集団との差がじわじわと開いていくばかりだった。
その事実に焦りを覚えた私は、飛び出した選手の後ろに付きローテーションを組んで前を追う。
・・・つもりだったのだが、他の選手が下りの勢いそのままに登り切る上りで、どうしても前との差を詰められず、結果力尽きてしまった。
後ろに付いていた選手に背中を押してもらうも、そこから出せる力が残っておらず「Thank you」と声を掛けて前へ行かせ、後方へ下がる。
その更に後ろから来た小グループの波に乗りローテーションを組むが、足は回復しきっておらず、数秒前を引くだけで横からすぐに他の選手が抜いていく形で走行することになる。
この時私は、ほとんどの時間を後ろに付いているだけで何もできないコバンザメと成り下がってしまっていた。

そして7週目、遂にそのグループからも千切れ、スタート地点に戻った時点でレースを降ろさることになった。

今回の反省としては、コーナリングの甘さ、これが第一に挙げられる。
これを克服するにはレース時の度胸が要るのと、普段の練習から後ろにピッタリ付いてコーナーをパスできるように訓練する必要が大いにある。
第二に、そのコーナリング後の立ち上がりだ。
今まで出場した日本のレースとはまるで違う速度で展開されるので、インターバル等のトレーニングを欠かさず行い、ハイスピードな展開になっても付いていけるようにする。

今回はこのような不甲斐ない結果に終わってしまったので、3日後のレースは今回の反省を基に、積極的なレース展開ができるようにしたい。